2013年

今年も終わろうとしているので,振り返ります。

今年の初めなんてもうすっかり昔というイメージですが,年の頭に修士論文を提出しました。そして入試があり,3月に無事修了,4月から博士後期課程に進学。
4月になるとまた新入生を迎えることとなりました。勉強会を主催し,周りに手伝ってもらいながらもなんだかんだで週一ペースを維持しながら進めることができました。

夏になると,立て続けに3本の論文の採択が決まり,手元に溜まっていた論文がようやく出て行き始めました。
発表は7本,うちファースト6本,英語4本。今年からちょっと英語交えて発表していたので,また1から慣れて行く作業が必要で,緊張の連続でした。ただ,その中でも修論を基にした研究を,私にとって初の海外で(SLRF)発表できたことが特に大きな経験でした。来年は更にデータを加えて,続編という形でオーストラリアで発表します。

10月の末には,名大の勉強会が中部LETの傘下に入り,基礎研が発足しました。2月の研究例会はもちろん,精一杯やれることをやって行きたいと思いますので,今後ともどうかよろしくお願い致します。

現在は来年の準備をしており,SLRFで計画が持ち上がった研究をメリーランド大学の方と共同研究という形で行うことになっていたり,早稲田大のIくんと共同研究をすることが決まっていたり(締め切りは1月初旬…!),研究会の中でも共同研究があり,もちろん博論も進めなくてはならないので,来年も忙しくなりそうです。

それでは皆様,良いお年を。
来年もどうか宜しくお願い致します。

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『日本語教育』156号「上級日本語学習者による目的を表す「ために」と「ように」の習得 ―「ために」の過剰般化は中国語話者に特有か―」

クリスマスももう終わろうとしておりますが皆様如何お過ごしでしょうか。
 
 

さて,先日,私の関わった論文が出版されました。
福田純也・稲垣俊史(2013)「上級日本語学習者による目的を表す「ために」と「ように」の習得―「ために」の過剰般化は中国語話者に特有か―」日本語教育 156号,pp31-44

ですが,その論文の中に深刻なミスが見つかりました。
39ページの図2と図3が丸々逆になっています。各図のタイトルはそのままで、2つのグラフを入れ替えたものが正しいものなります。
本文を読んでいくと全く図と説明に整合性がないので混乱してしまいます。
採択されたときに提出した原稿までは正しかったのですが,聞くところによると印刷所の手違いで入れ替わってしまったそうです。
図の元になったExcelファイルの提出を求められていたので,細かい修正を加えて下さったのでしょうか,その後差し替える際に間違ってしまった感じなのかと思います。非常に似た図なので,ぱっと見気づきにくいです。
私の方にもwordファイルで「初稿」というのが届いていたのですが,まるまる入れ替わっているとは思わず,また確認に与えられた期間も短かった上にその期間が学会ラッシュの忙しい時期と重なってしまったので,私も見落としてしまいました。言い訳ですが,悔しいです。pdf版のいわゆる「著者最終稿」みたいなのはなかったのですが(あると思って油断したところもあり・・・言い訳ですが),もう一度くらい見直す機会があれば・・・。言い訳になりますが,うう。
年明け前には訂正メールが一斉送信され,ウェブ上でも訂正告知があるようです。
初『日本語教育』だったので大きなミスが残念ですが,学会誌編集委員の方々には迅速で真摯な対応をしていただきました。心より感謝しています。
 
 

さて,この論文を書いた経緯としては,
私がM1の頃,現在博士論文の指導をお願いしている先生の一人である,稲垣先生の第二言語習得論の授業の最終レポートで,何か一本の論文の批評を書いてくるという課題が出されたので,
せっかく一流の研究者である先生の授業なのだから,先生の論文の批評を書こうと思い(今考えたらちょっと恐ろしいことですが),稲垣(2009)の日本語教育の論文を対象に書きました。
「ために」と「ように」の用例から仮説を立ててコーパスを調査し(といっても200弱の例に用法別のタグを付けただけなのですが),日本語ネイティブにプロトタイプの質問紙を配って(といっても5人くらいの小規模なものですが),
もしかしてタメニの過剰般化は母語の転移ではなくとも説明できるのではないか,と結論したものでした。

今思えば論が粗い上に結論的にずいぶん喧嘩腰のレポートですが,先生に提出したところ,寛大にも「面白いから実際にデータ取ってみては」ということになったので,追実験ということで先生にも協力して頂きデータをとって,先生におんぶにだっこしていただきながら結果を解釈をし直したものを学会誌に提出しました。結果的に,タメニの過剰般化は母語に関わらず起こるが,中国語話者に関しては母語の転移により特有の過剰般化がみられる,という結論になっています。
査読のプロセスでも先生に多大なサポートを頂きながらなんとか採択に漕ぎ着けました。どの段階でも初めて尽くしで,博士前期課程の段階でこのようなプロセスを経験出来たのは大変貴重で勉強になりました。
色々と「次研究の課題」みたいなのも多いですが,抜き刷りを頂いているのでご興味がある方はご連絡下さい。