授業見学の感想1

名古屋大学大学院国際開発研究科国際コミュニケーション専攻博士後期課程の田村祐氏の授業を見学してきました。
中京法律専門学校の英語の授業です。

彼のプロフ等はこちらから→http://tamurayu.wordpress.com/cv/

何から書いたらいいのかわかりませんが
まず学生さんフレンドリーでした。その日は7人の少人数クラス。教室は100個くらい机が置いてありましたが,ほかにプロジェクターが使える空き部屋がないからここなんだそう。セットされているのはプロジェクターにつないだMacBook(っていうのか?)と移動できてひっくり返したりできるタイプの黒板。

最初に単語テスト。事前にリストが配られていたらしい。テスト終わったら,隣の人と交換して解説をききながら一つずつ答え合わせ。
で,新しい単語リストが配られてそのリストにある単語の解説。意味を確認したり発音させたり。

ここまで聞いてて,なんかずいぶんのんびりやってるなあとふと。ちょうどこの日の午前中に自分が別の大学で授業やってたんですが,一回でプレタスクのリーディングアクティビティにメインのコミュニケーションタスク,その後のレポート作成まで息つくまもなく一気に進めたので(それがいいかとかは別として),ひとつひとつ板書して発音確認まで丁寧にやってて大丈夫かなと思ってたんですが,

よく考えたらこの授業は2コマ連続(合計3時間!)で,どちらのコマも受講生がかわらないので,一気にやってると学生がしんどいんですね。ちなみに私は当日やや体調がよくなかったのもありますが,最初のんびりやってると思ってたらさすがに3時間ずっと英語の授業聞いたら相当に疲れました。

つまりここでは学生の負担を考えつつ先生の講義を入れてバランスを取っているということですが,私なんかはあんまり自分が一方的にしゃべる形式で講義してひきつけるのがあんまり得意ではないので,それなりに学生指名しながら安定して講義を回していくような授業もできなきゃいけないよなあと思いました。前期にも彼と話していて感じたのですが,彼のところの学生はまじめで,アクティビティばかりじゃなくてある程度英語を講義で「教授」してほしいという声が実際に結構あったらしく,その声にどれだけダイレクトに合わせるかは別として,学生をみてある程度ニーズに合ったやり方をしようと思ったら,あたりまえですが色んな形式で授業ができたほうがいいんでしょう。その重要性や必要性は先生のビリーフとはまた別のところにある。

その後,リーディングの活動へ。このマテリアルの小説は彼が自分で書いているらしく,読んでみると結構面白いw
前の週は「聞き覚えのある声が聞こえた・・・。」みたいな感じで終わっていて,今週は「目の前が真っ暗になってその場に倒れた――」みたいに引っ張って終わっていて私も続きが読みたくなりましたw
ちなみに彼は前期にはもともと新聞記事などで授業をしていたそうですが,ぜんぜんそちらにはないように興味を示してもらえずにいろいろ考えたそうです。
このマテリアルには先週にテストやった単語が多く入っているらしいですが,あんまりそれで流れが不自然になってもいなかったので,書き上げたら是非出版してほしいと思います。うん。

少々脱線しますが,
リーディングのマテリアルに関する議論にはしばしば真正性(authenticity)の話が絡んで,真正性って重要だとよく言われます。あんま不自然な文を教材として使わない方がいいんじゃないかというくらいの意見には同意しますが,「真正性効果」にはほんとかよと思ってしまうような話も多々あるように思います。authenticな素材のほうがインテイクを促進するという話なんかは言うまでもなく[自主規制]ですが,問題はもっともらしい「真正なもののほうがinterestingでmotivatingだという話」です。そりゃビジネス専攻の人にビジネスで実際に使われる英文を使うとか,工学部生に工学技術系のマテリアルを使うとかで興味を持ってもらうことはあるでしょうが,それって自己関連性や学生の持つ興味,ideal-imageとの一致であって,authenticityは直接的に関係ないんじゃないかなあと思ってしまうような記述を時たま見かけます。そもそも出版されている小説にだって引き込まれるような楽しい小説もあれば三文小説もあるわけで,更には僕は大ヒット作家の村上龍が好きじゃなかったりするのですとか言っちゃうとミモフタモナイですが,考えれば考えるほど,authenticityはそういった「興味深さを構成する要因の一つ」ですらなく,自己関連性等を経由した擬似相関を疑いたくなります。その話に関してはまた思うことも多いので,とりあえずまたそのうち書きます。たぶん。

閑話休題。
リーディングをやって,いくつかのクエスチョンに答えたら,それをグループで相談という流れに。私も片方の大学ではリーディングの授業を受け持っていて,これは悩みどころでもあるんですが,ディスカッションの際にどうもよりできる人があまりできない人に教えるというカタチになりがち。ディスカッションをするには,全員が同じだけの情報を持っていて,ディスカッションに参加する義務が何らかの形で有るとよりいい具合に活性化するんでしょうが,なんかそれに関していい仕掛けがないかなーと考え中です。この授業ではみんなまじめだったので結構協力的にやってましたが,難度が高いクエスチョンによりそういう傾向が見られた気がします。

1時間目の最後は時間が少々余ったので,今日解説した単語を用いてグルグルをしてました。グルグル初めてみましたけどこれすごい手際大事なんですね。彼は中学校の大人数の授業でもこれを実践していたようで大変慣れた感じで,めっちゃ速かった上に背後の人がぽろっと言ったことまで聞き逃さずフィードバックしてて,高度な職人芸だなと思いました。かなり明示的なネガティブフィードバックなので,かなり好み分かれそうな気はしましたが,まあ,既にいろいろ議論されてることだと思いますしここでは深く立ち入ることはしません。

さて,一時間目で脱線もありちょっと長くなってしまったので,また二時間目の分は分けて書くことにします。

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研究ウワーッ

7いま、オレ何したいの?」という状態になったら – 発声練習 / http://d.hatena.ne.jp/next49/20100129/p1

ワイがいま精読しやなあかんリンク集のブログエントリや

あとこれも。

「つらい」 / http://9326.teacup.com/kisoken_forum/bbs/smartphone/thread/list/thread_id/11/thread_num/l50/?